たった1つのキーホルダーが、娘の声を取り戻してくれた話
「○○ちゃんの全く話さないんです」
!?正直最初はウソかと思った。。。
3年前(当時娘は3歳)、朝、保育園に送るたびに、娘は大号泣。
それでもボクは、
「きっとそのうち慣れる」
「少しずつ話せるようになる」
そう自分に言い聞かせていました。
でも、1ヶ月経っても、2ヶ月経っても、状況は変わらなかった。
(むしろ悪化して行くばかり。)
娘は保育園で、誰とも話せないままでした。
家ではよく話す子なんです。
笑うし、ふざけるし、好きなものの話になると止まらない。
それなのに、保育園では声が出ない。
お迎えに行くと、やっと解放されたように笑う。
その顔を見るたびに、胸がギュッとなり苦しくなる。。。
「このままで大丈夫かな?」
「どうしたらいいんだろ…。」
妻もかなり苦しんでいました。
朝の送りは基本妻が。夜のお迎えはボクでした。
妻から聞いて、ボクが送りを変わる日があり。
娘が涙を我慢して教室に入る後ろ姿(頬をつぅーと涙が)を見て、ボクは出社しながら泣いてました。
正直、ボクと妻も限界に近かったです。
このまま続くなら、仕事を辞めることも考えなきゃいけないかもしれない。
それくらい、家族にとって大きな出来事でした。
そんな娘が、ある日、初めて保育園で声を出しました。
きっかけは、特別な訓練でも、すごい言葉がけでもありません。
たったひとつの、木のキーホルダーでした。
きっかけは、ハンナさんの個展だった
そのキーホルダーを作ってくれたのが、ハンナさんです。
ハンナさんは、
「アートをギフトに」というコンセプトで活動しているアーティスト。
お花を贈るように、
大切な人へアートを贈る。
そんな想いで、木材にアートを描いたり、デジタルアートを届けたり、リアルとオンラインの両方で活動されています。
ボクがハンナさんのことを知ったのは、4年前ぐらい。
同じスタエフで発信していた、けんくらさんの活動がきっかけでした。
そこからハンナさんの作品に触れるようになり、
いつかリアルで会いたいなと思っていました。
そんな時、下北沢で個展をすることを知ります。
「…下北沢なら、娘を連れて行ける!!」
そう思って、思い切って娘を連れて個展へ行ったんです。
その時、娘はまだ3歳くらい。
保育園で誰とも話せず、家族としてもかなり苦しい時期でした。
でも、せっかくの個展。
少しでも娘の気持ちが変わればいいな。
そんな思いもありました。
会場でハンナさんは、娘に聞いてくれました。
「好きなものある?」
娘が答えたのは、ポケモンのゲンガー。
(ボクの影響でポケモンにハマりその中でもゲンガーが大好き)
するとハンナさんは、その場で木のキーホルダーにゲンガーのイラストを描いてくれました。
娘はそのキーホルダーを、とても嬉しそうに、
そして大事そうに持って帰り、
「あしたリュックに、つけていくぅ!」
満面の笑みで話したことを今でも覚えています。
そして翌日だったと思います。
娘はそのキーホルダーをつけて、保育園へ行きました。
「初めて、娘さんの声を聞きました」
その日のお迎えの時。
保育園の先生から、こんなことを言われました。
「○○ちゃんのパパ!、今日、初めて、娘さんの声を聞きましたぁ~(´;ω;`)」
もう、その言葉を聞いた瞬間、泣きそうになりました。(いや、たぶん泣いていたと思いますw)
それまで何ヶ月も、保育園で声を出せなかった娘。
そんな娘が、ハンナさんに描いてもらったゲンガーのキーホルダーをきっかけに、友達と少し話せたんです。
たったひとつのキーホルダー。
でも、娘にとっては、友達と話すための小さな勇気になっていました。
ボクたち家族にとっても、苦しかった毎日に差し込んだ光でしたね。
大げさじゃなく、あのキーホルダーがなかったら、ボクたち家族の時間はもっと苦しかったかもしれません。
だからボクにとって、ハンナさんはただのアーティストではありません。
娘を助けてくれた人。
家族の苦しい時期に、そっと背中を押してくれた恩人です。
アートは、ただ飾るものじゃない
ハンナさんは、もともと「木材アーティスト」と名乗っていました。
木材に絵を描く。
木のぬくもりを活かす。
その珍しさや魅力を伝えるために、そう名乗っていたそうです。
でも今は「ギフトアーティスト」という肩書きに変えています。
その理由が、すごくハンナさんらしいなと思いました。
届けたいものの中心が、
「木材に描くこと」だけではなく、
「想いを贈ること」になってきたから。
・結婚記念日。
・子どもが生まれた日。
・大切な人に気持ちを伝えたい日。
そういう一瞬の感情や思い出を、アートとして残す。
花はいつか枯れてしまう。
でも、アートなら残る。
もちろん、花には花の美しさがあります。
でも、枯らしたくない想いってあると思うんです。
あの日の気持ち。
あの時のありがとう。
あの人に伝えたかった言葉。
それを形にして、贈る。
ハンナさんのアートは、ただ飾るためのものじゃない。
誰かの想いを、誰かへ届けるためのものなんです。
たったひとつの作品が、誰かの人生に残る
ハンナさんの話を聞いていて、印象的だったことがあります。
ある方が、プロポーズの時にハンナさんのアートを贈ったそうです。
花ではなく、アートを贈る。
その話だけでも素敵なのに、さらにすごいのが、そのエピソードをnoteで読んだ別の方が、
「自分も妻にアートを贈りたい」
そう思って、依頼してくれたそうです。
誰かの想いが、作品になる。
その作品を見た別の誰かが、また大切な人を思い出す。
そしてまた、新しいギフトが生まれる。
これって、すごく素敵な循環だと思うんです。
ハンナさんのアートは、作品単体で終わらない。
贈る人がいて、
受け取る人がいて、
そこに物語が生まれる。
そしてその物語が、また誰かの背中を押していく。
ボクの娘のキーホルダーも、まさにそうでした。
ハンナさんにとっては、その場で描いてくれたひとつの作品だったかもしれません。
でも、ボクたち家族にとっては、忘れられない宝物になりました。
感情は、全部あっていい
今回、ハンナさんの話の中で、もうひとつ心に残ったテーマがあります。
それが「気持ち図鑑」です。
嬉しい。
楽しい。
悔しい。
悲しい。
嫉妬する。
怒る。
もう無理だと思う。
何も感じたくない。
人には、いろんな感情があります。
大人になると、感情を隠すことが増えます。
泣いちゃダメ。
怒っちゃダメ。
弱音を吐いちゃダメ。
ちゃんとしていなきゃダメ。
そうやって、自分の気持ちにフタをしてしまうことがあります。
でもハンナさんは、そういう感情も含めて、全部あっていいと話していました。
これ、育児をしているボクにはめちゃくちゃ刺さりました。
娘は今、6歳。
泣く時は全力で泣く。
怒る時は全力で怒る。
嬉しい時は全力で笑う。
喜怒哀楽を、体いっぱいに出してくれます。
もちろん、親として、
「それはダメだよ」
「その言い方はよくないよ」
と伝えることはあります。
でも、感情そのものは否定したくないんです。
怒る気持ちもある。
悔しい気持ちもある。
寂しい気持ちもある。
不安になることもある。
それを知ることも、自分を知ることだと思うから。
感情に名前がつくと、少しラクになることがあります。
「あ、ボクは今、悔しかったんだ」
「寂しかったんだ」
「不安だったんだ」
そうわかるだけで、心が少し整理される。
ハンナさんの「気持ち図鑑」は、そんな感情にそっと名前をつけてくれるアートなんだと思います。
継続している人の場所は、誰かの居場所になる
ハンナさんの下北沢での個展は、ボクにとって特別な場所です。
娘と初めて、リアルな展示イベントに行けた場所。
「娘を連れて行ってもいいんだ」
そう思わせてくれた場所。
そして毎年、娘の成長を感じられる場所でもあります。
「今年もハンナさんの個展あるよ」
そう話すと、娘は自然に、
「行く」
と言ってくれる。
これって、すごいことだと思うんです。
ハンナさんが継続して個展を開いているから、そこが誰かにとっての再会の場所になる。
家族を連れてくる人がいる。
恋人を連れてくる人がいる。
子どもを連れてくる人がいる。
会場で出会った人同士が、またつながっていく。
最初はただの展示会だった場所が、
続けることで、誰かの居場所になっていく。
これ、継続のすごさだと思うんです。
続けるって、自分のためだけじゃない。
続けている人の場所は、いつの間にか、誰かの安心できる場所になる。
誰かがまた行きたいと思える場所になる。
誰かが大切な人を連れて行きたいと思える場所になる。
ボクはそれを、ハンナさんの個展から教えてもらいました。
応援したい人には、理由がある
ボクは普段、古事記projectやこじぷろの活動を通して、いろんな人を応援する側にいます。
ライブの告知をしたり、イベントを広げたり、挑戦している人の背中を押したり。
その中で、いつも思うことがあります。
応援したい人には、理由がある。
ただ作品が素敵だから。
ただ活動がすごいから。
それだけじゃない。
その人の奥にある想いを知った時、応援したくなる。
その人が積み重ねてきた時間を知った時、誰かに届けたくなる。
ハンナさんのアートもそうです。
ただかわいいからじゃない。
ただ温かい絵だからじゃない。
そこに、人に寄り添ってきた時間がある。
介護の現場で、人の人生に触れてきた経験がある。
病院や施設にいる人にも、アートを届けたいという願いがある。
展示会に来られない人にも、心が少し温かくなるものを届けたいという想いがある。
そういう背景を知ると、作品の見え方が変わります。
「この人のアートを、もっと必要な人に届いてほしい」
そう思うんです。
たったひとつが、人生を動かすことがある
大げさに聞こえるかもしれません。
でも、ボクは本気で思っています。
・たったひとつのキーホルダーが、娘の一歩を助けてくれました。
・たったひとつのアートが、家族の空気を変えてくれました。
・たったひとつの出会いが、今も続くご縁になっています。
誰かにとっては、小さな作品かもしれない。
でも別の誰かにとっては、人生の中で忘れられない大切なものになることがある。
だからボクは、ハンナさんの活動をこれからも応援したい。
そして、こういう人がいるんだよと、ちゃんと届けていきたい。
アートは、誰かの心に残る。
ギフトは、想いを運ぶ。
応援は、その人の挑戦をもう一歩前に進める。
ハンナさん。
あの時、娘にキーホルダーを描いてくれて、本当にありがとうございました。
ボクたち家族にとって、あの小さなアートは、今でも大切な宝物です。


