勝ちにいく時ほど、子どもには“落ち着かせる人”が必要なのかもしれない
先日の日本戦。
スウェーデン相手に1-1の引き分け。
日本は1勝2分でグループFを2位通過し、決勝トーナメント進出を決めました。後半には前田大然選手のゴールで先制。その後に追いつかれたものの、最後は勝ち点1を確実につかみ取りました。そして、この試合で長友佑都選手は5大会連続W杯出場も達成しています。
正直、試合を見ながら思いました。
勝ちたい。
もう1点取りたい。
1位通過も狙いたい。
たぶん選手も、ベンチも、見ている人も、同じ気持ちだったと思います。
でも、そこで森保監督が選んだのが、長友佑都選手の起用でした。
試合後、森保監督は長友選手について、攻撃だけに意識が傾いて試合を崩すことは避けたかったと説明しています。そして、長友選手がチーム全体に「バタバタするな」という空気をもたらし、落ち着きを与えてくれたと語っていました。
これを見て、ボクは思ったんです。
ああ、これって育児でも同じだなって。
子どもが崩れる時、必要なのは正論じゃない
娘を見ていると、
気持ちが一気に前に行きすぎる時があります。
早くやりたい。
うまくやりたい。
勝ちたい。
失敗したくない。
思い通りにしたい。
でも、その気持ちが強くなりすぎると、
逆に崩れることがあるんですよね。
泣く。
怒る。
動けなくなる。
話を聞けなくなる。
もう全部イヤになる。
そんな時、親としてつい言いたくなります。
「落ち着いて」
「ちゃんとして」
「泣いても仕方ないでしょ」
「早くやりなさい」
でも、これって意外と届かない。
なぜなら、子どもはもう、
頭ではなく感情でいっぱいになっているから。
そんな時に必要なのは、
正しい言葉をぶつけることじゃなくて、
まず空気を整えることなんだと思います。
長友選手の役割は、目立つプレーだけじゃなかった
サッカーって、どうしてもゴールした人に注目が集まります。
点を取った人。
アシストした人。
派手なドリブルをした人。
決定的なシュートを止めた人。
もちろん、めちゃくちゃ大事です。
でも今回の長友選手の起用を見て思ったのは、
チームには「落ち着かせる人」も必要なんだということ。
勝ちたい気持ちが強くなるほど、
前に出たくなる。
前に出たくなるほど、
守るべきものを見失いやすくなる。
そこで、
「バタバタするな」
「大丈夫だ」
「まず崩れるな」
そういう空気を出せる人がいる。
これって、めちゃくちゃ大きい。
派手じゃない。
でも、チームを壊さない。
目立たない。
でも、流れを守る。
この役割って、育児でいう親の役割そのものかもしれません。
親は、子どもを勝たせる人じゃなくていい
ボクは時々、娘に対して、
結果を出させようとしてしまうことがあります。
早く宿題を終わらせてほしい。
ちゃんと準備してほしい。
忘れ物をしないでほしい。
気持ちを切り替えてほしい。
もちろん、それも大事。
でも、子どもが崩れそうな時に、
親まで一緒に前のめりになると、
家庭の空気そのものがバタバタするんですよね。
娘が焦る。
ボクも焦る。
言葉が強くなる。
娘がさらに崩れる。
そして最後は、親子で疲れる。
これ、あるあるすぎる。
だからこそ、親に必要なのは、
子どもを無理やり勝たせることじゃなくて、
子どもが崩れないように支えることなのかもしれません。
「大丈夫」
「いったん深呼吸しよう」
「今は急がなくていいよ」
「まず、ここまでできたね」
そうやって、
子どもの中にある焦りを少しずつほどいていく。
勝ちに行く前に、
まず崩れない土台を作る。
これって、すごく大事だなと思いました。
“攻める育児”だけだと、子どもは苦しくなる
育児って、つい攻めたくなります。
もっとできるように。
もっと早く。
もっとちゃんと。
もっと自分で。
子どもの成長を願っているからこそ、
親は前に進ませたくなる。
でも、攻めるだけだと、
子どもは苦しくなる時があります。
大人でもそうですよね。
仕事で結果を出したい。
発信を伸ばしたい。
挑戦を続けたい。
でも、攻め続けていると、
どこかで心が疲れる。
だから必要なのは、
攻める力と、整える力の両方。
子どもにも、
「やってみよう」と背中を押す時間が必要。
でも同じくらい、
「大丈夫、焦らなくていい」と受け止める時間も必要。
長友選手の起用は、
そのバランスの大切さを教えてくれた気がします。
子どもがバタバタしている時、親までバタバタしない
娘が泣いている時。
怒っている時。
急いでいる時。
うまくできなくて悔しがっている時。
その時、ボクが一緒にバタバタしてしまったら、
娘はもっと不安になる。
だからこそ、親がまず落ち着く。
これは簡単じゃないです。
正直、めちゃくちゃ難しい。
こっちも疲れている。
時間もない。
仕事もある。
家事もある。
寝不足の日もある。
それでも、
子どもが崩れそうな時に、
親が少しだけ深呼吸できるか。
そこが、家庭の流れを変えるのかもしれません。
「早くして」ではなく、
「一回止まろう」
「なんでできないの」ではなく、
「今ちょっと気持ちがいっぱいだね」
「泣かないで」ではなく、
「悔しかったんだね」
この一言で、
子どもは少しずつ戻ってこられる。
親の言葉は、
子どもにとっての“長友選手”になれるのかもしれません。
育児に必要なのは、勝たせる采配より、崩さない采配
今回の日本代表を見て、
ボクは育児もチームづくりに近いなと思いました。
子どもを前に進ませることも大事。
挑戦させることも大事。
できることを増やしていくことも大事。
でも、それ以上に大事なのは、
子どもが自分を嫌いにならないこと。
失敗しても、
また戻ってこられること。
焦っても、
落ち着ける場所があること。
うまくいかない日でも、
親が味方でいること。
育児は、毎日勝ちにいくものじゃない。
むしろ、
崩れそうな日をどう支えるか。
バタバタしそうな空気をどう整えるか。
そこに、親の大事な役割があるんだと思います。
娘にとって、ボクは落ち着ける存在でありたい
長友選手がピッチに入ったことで、
日本代表に落ち着きが生まれた。
それと同じように、
娘が不安な時、焦っている時、崩れそうな時、
ボクもそんな存在でありたい。
すごいことを教えられる親じゃなくてもいい。
完璧な正解を出せる親じゃなくてもいい。
ただ、娘がバタバタしている時に、
一緒にバタバタしすぎない親でありたい。
「大丈夫」
「ここにいるよ」
「一回落ち着こう」
「またやればいいよ」
そう言える親でいたい。
勝たせるより、
まず崩さない。
急がせるより、
まず整える。
今日の日本代表を見て、
そんな育児の大切さを改めて感じました。
娘の毎日も、きっと小さなワールドカップ。
学校に行く。
宿題をする。
友だちと関わる。
失敗して、また立て直す。
そのピッチのそばで、
ボクは今日も声をかけたい。
バタバタしなくて大丈夫。
ちゃんと戻ってこられるから。
パパは、ここにいるよ。


